国内外留学レポート
英米2ヵ国の留学体験で、考え方や文化の違いを実感
プラント第一部川畑祐介
2003年入社で、今年で入社8年目になります。現在の業務は、金属、化学や電気・電子材料等のプラントの設計・施工管理のエンジニアリング業務です。
私が今回海外語学研修を志望した理由は、台湾での経験が基になっています。昨年台湾にプラントのスーパーバイザー(施工管理指導員)として派遣された際、仕事上での英語の必要性を強く感じました。また、滞在先のホテルでも従業員の方の大半が英語を普通に話すことができ、さらに多少の日本語も習得していることに非常に驚きました。今後さらに英語が必要になる日が来ると思い、今回の語学研修を志望しました。
私は2ヶ国に留学し、最初の留学先はイギリスのケンブリッジでした。ケンブリッジは学生の町で、海外からの留学生も多く、とても生活しやすい町でした。人口は10万人程度で、日曜日は夕方5時でほとんどの店が閉まってしまうような小さな町です。ここでホームステイをしながら6週間学校へ通いました。
イギリス滞在当初は学校の授業についてゆけず、とても辛い経験をしました。授業の答えが分からないだけではなく、何を質問されているかも分かりませんでした。それなりに勉強をして今回の研修に望んだつもりでしたが、ここまで英語ができないとは思ってもいませんでした。そこで自分なりに目標を立て直し、初めの3週間はリスニングだけに注力して、まずは何を話しているかを理解するよう努力しました。そうすることで会話できる喜びを実感できるようになり、次第に語学力がつくようになりました。その後今度は正しい発音ができるように基礎から練習し、自分の発音した音を自分で確認することでさらにリスニング力強化に努めました。
また、勉強していく上でイギリス英語とアメリカ英語の違いに驚きました。今まで学校で習った以上に多くの相違点があり、日本人が学習している英語はアメリカ英語だったことに気づきました。単語そのものが違うものや同じ単語で発音が違うものもあり、今まで授業で習ってきた英語はなんだったのか?と思ってしまうほどでした。ただその違いを楽しむようにいろいろな単語を調べることで、語彙力をつけるようにしました。このようにイギリスでは文法や単語を学び、英語を基礎から学び直しました。
ケンブリッジのホストファミリーと
ボストンのホストファミリーと
ボストンでのホームステイ仲間と
次にアメリカのボストンへ移動し、そこで6週間滞在しました。ボストンはケンブリッジに比べると大きな町ですが、週末は私のステイ先からボストン中心部へ出る電車が2時間に1本しかないような町でした。アメリカは、「人種のるつぼ」と呼ばれるように、各国様々な人種の人が生活しており、日本人が生活していても全く違和感がなく、よく道や電車の行き先を聞かれました。アメリカは良い意味でイギリスには無い寛容さがあり、どのような英語でも通用してしまう面もありました。そのような環境から日本人が最も苦手とする、「話す度胸」をつけるには最適な場所だと感じました。アメリカ滞在の後半では、日常会話では困らない程度まで会話ができるようになり、会話できる喜びがさらに実感できました。
今回の研修を通じて語学力は当然のことながら、海外の考え方や文化の違いを肌で実感できました。例えば与えられたテーマについてグループで発表する授業がありましたが、そのグループの中にどの国の人がいるかによって進め方、まとめ方が全く異なり、これは他国の方と今後仕事をしていく上で貴重な経験ができたと思っております。俗に言われている、「日本人的感覚」は通用せず、意見や感想は率直にぶつけていかないと失礼に相当します。アメリカのホストファミリーに、日本人はただにこにこ微笑んで理解しているのかそうでないのか分からないので、分からないことははっきり言うように最初に指摘されました。海外で仕事をする上では、そのような考え方や意識の違いを認識することが大切だと実感しました。
諸先輩の体験記や私の体験記を読み英語を勉強したいと思われた方は、まずリスニング力をつけることをお勧めします。また同時に正しい発音を基礎から習得し、相手に自分の伝えたい事を理解してもらえるようにすることが大切です。正しい文法も大切で日本人は大半が既に習得済みですが、一方、語彙力については母国語のルーツが英語と同じであるヨーロッパ人に比べると圧倒的にありません。何度も英語の勉強で挫折されている方は、これらの点をふまえて今までの学習方法を見つめ直してみてはいかがでしょうか。私の体験記が英語力向上のきっかけになっていただけると幸いです。