私たちの想い
世界でナンバーワン、オンリーワンの
粉体ハンドリング技術を獲得していきたい。
プラント第二部 部長
羽根雄一
社会の将来像を見据え、お客様の事業の発展に寄与する最適なソリューションを、高い品質のエンジニアリング業務を通じて提供したいと思っています。
二次電池・医薬品・化成品・トイレタリ・粉砕分級のエンジニアリングを行うプラント第二部
プラント第二部では、当社プラントエンジニアリング部門の中でも食品関連を除くほぼすべての分野を対象に(食品関連は主にプラント第一部が担当)粉体技術を提供しています。とりわけ、二次電池(粉体原料)、医薬品、メタルパウダー、セラミックス、ファンデーション、化成品(樹脂粉末、ガラス粉など)の工場をつくる、または工場内の一部のシステムを供給する内容が主になります。粉体はいろいろな業界で実に広く使われていて、遡れば粉体がもとになっているものは世の中にたくさんありますが、それらに広く対応したプラント事業を行っています。また、粉体だけでなく液体でも化粧品やシャンプー・リンスなどのトイレタリ製品をつくるプラントを手がけていて、ある大手化粧品会社様ではほとんどの工場で私たちが手がけた設備が稼働しています。
技術の開発・提供は、結局のところ「人」につきます。当社では、事前のリサーチから営業、見積、詳細設計、調達、現地工事管理、引渡し迄、技術者当人が実際にお客様に接しながら担当しますので、安心してお任せいただけると思います。
得意とする“containment”の技術で、労働安全衛生の向上を
プラント第二部が扱う粉体のひとつ、メタルパウダー(金属の粉体)。自動車産業で使われる高精度なドリルなどはメタルパウダーからつくられているのですが、その性質は細かくて重く、扱うのは極めてやっかいです。またコバルトは発がん性が指摘されていますが、製造現場でこういったリスクのある粉体の扱いが安全に行われているかというと、実はそうでない場合も多くあります。
私たちの技術では、細かくて重くてやっかいな粉体をできるだけ閉じ込めた形で、空気中に飛散しないようにハンドリングすることが可能になります。これを“containment(封じ込め)”と呼んでいますが、封じ込め技術を駆使すれば従事者が吸入しないようにすることが可能です。これは簡単なようでなかなか難しい技術です。お客様の投資目的には合理化とともに労働安全衛生の向上がありますが、私たちの得意とする封じ込め技術はそうした問題にダイレクトにお応えできるものだと言えます。
高度な封じ込め技術に裏付けられたマトコンIBCシステム
マトコンIBCシステム
マトコン社は英国のコンテナメーカーで、このシステムを使えば工程間移動に伴う粉の移し替えを封じ込めた状態で行うことが可能です。当社は20数%の世界シェアーナンバーワン、技術力ナンバーワンのマトコン社と、2002年に専属的なエンジニアリング契約を、また、2011年には販売店契約を結びました。封じ込めの部分に非常に高い技術力を持つマトコンシステムをベースに、付加価値のあるプラント構築ができると自負しております。
例えば医薬品製造の現場では、薄まっていない原薬は危険性が高い粉体とも言えるのです。原薬は概して人体に強い作用を及ぼします。医薬業界では他業界よりも比較的厳しい労働安全衛生がなされてきましたが、まだまだ不十分な面もあります。ここでも“containment”が声高に叫ばれつつありますが、プラント第二部ではこういったプラントの工程間移動にマトコン技術を提供する実績を積み重ねていきたいと考えています。
プラント第二部が開発に参加した「外部滑沢剤散布装置」
外部滑沢剤散布装置 プラント第二部では分級・粉砕技術の機器を用いたプラントを提供しています。当社開発機器を100%の性能が発揮できるようにシステム構成してお客様に提供しています。また、当社独自の「外部滑沢剤(かったくざい)噴霧装置」の開発には、研究開発部門である日清製粉グループ本社の生産技術研究所、粉体事業部と共同で取り組みました。(現在は粉体事業部から販売)医薬品は法的な規制が厳しく、GMP(適正製造規範)という概念を理解して実行するには高いレベルの専門知識と実績が要求されるためです。外部滑沢剤噴霧装置とは、医薬品の錠剤を作る打錠機に滑沢剤を吹き付ける機器です。打錠機は原料を型に入れて非常に強い力で打錠するので、錠剤を取り出してみるとくっついていたり、割れて傷ができていたりする場合があります。これでは機械のメンテナンスも大変ですし、傷がついた錠剤は無駄になり生産性は落ちてしまいます。そこで錠剤に滑沢剤を混ぜて打錠するのですが、そうすると錠剤全体に滑沢剤が入っているので溶けにくかったり、もろくなるという問題がありました。錠剤に混ぜるのではなくて打錠機の杵と臼の部分に滑沢剤を極僅かにつければいいという考えは昭和40年頃からありましたが、この概念を具体化することは誰も出来ないでいました。
「外部滑沢剤散布装置」開発の陰には技術の積み重ねがあった
私たちはこの話を聞いたとき、当社の技術を用いればいけると思いました。定量的に安定的に、精度よく吹き付けることが得意なのですから。株式会社菊水製作所さんと連携して開発から1年ほどで商品化して現在に至っています。医薬品業界は新しいテクノロジーを取り入れることには比較的慎重なのですが、口コミでじわじわと広がっていて販売台数は160台以上になり(2024年6月現在)、しっかりと認知されたといってよいでしょう。
外部滑沢剤散布装置の開発から商品化まで1年と申し上げましたが、実はこの機器をめぐっては少々逸話があります。もとになった技術は日清製粉グループ本社で約35年ほど前に取り組み始めた「高周波プラズマ法による微粒子製造」で開発した精密分散供給装置でした。当初は門外不出の技術でしたが、数年後に圧電素子セラミックスをつくるプロセスで粉体を精密に撒くプラントを受注した際に、その技術を応用して成し遂げました。それがまた、10数年ほど前に液晶パネルライン製造工程でのニーズに接し、そこで使われるスペーサ散布装置の開発でさらに発展することになります。液晶は2つの基板で構成されていて、その中に液晶を閉じ込めるわけですが、基板同士のすき間を5ミクロン(5/1,000mm)程度に保つ必要があり、そのため液晶スペーサと呼ばれる樹脂粉末の散布装置をつくる際にこの技術が活きたわけです。
このように、技術の積み重ねが「外部滑沢剤噴霧装置」として昇華してきています。
難易度の高い粉体に取り組み、世界でナンバーワンに
今後は、次代を担う技術として注目されているナノ粒子(超微粒子)に関わる事業の可能性を検討していく予定です。ナノに関してはまだまだこれからですが、非常に大きなイノベーションが起きる技術でしょう。例えば燃料電池、あるいは超高性能な2次電池などの可能性に期待しています。それらの電池にはいろいろな粉体技術の操作があり、今まで誰も扱ったことのない難易度の高い粉体がたくさんあるからです。他の誰もが取り組めない領域へ積極的に取り組んでいきたいと思っています。
また、これからのプラント第二部は粉体事業部や世界でリードしている会社とリンクしながら、世界でナンバーワン・オンリーワンの技術を獲得していきたいと思っています。これはプラント第二部のみならず会社全体の目標でもありますが、最終的には「粉体のハンドリングでは世界でナンバーワン」になることを目指します。困ったことがあったらあそこだよ、と世界中からニーズが舞い込むようにしていきたいですね。
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