製品&技術トピックス

微粉領域でこれまでにない分級性能を発揮する
可動部のない半自由渦を用いた分級機「エアロファインクラシファイア」

さまざまな分野で応用される粒度調整技術

従来から、積層セラミックコンデンサ・プリント基板等に使用される電子材料、2次電池や太陽電池の材料、磁性材、光学材料等、さまざまな分野で、原材料である粉体の粒度調整が必要とされてきました。今日では、製品性能や付加価値の向上等を目的とし、上記粒度調整は頻繁に行われています。また、商品の小型化・高品質化・省エネ対応、また安全性や信頼性向上等の面から、求められる粒度調整技術の内容が、年々高度になってきています。

当社の分級技術

各種産業で原材料粉末の粒度調整は広く行われており、品質管理で厳しい規格が適用される時、粒度調整のひとつである分級操作は重要な技術として認識されます。当社では、サブミクロンから数百ミクロンまでの幅広い領域の粒度調整に対応できるよう、以下の特長の異なる分級機3機種をラインナップしております。

  • 篩との境界領域で、大能力・高精度分級を可能にしたエディクラシファイア
  • 数ミクロンから数十ミクロンのワイドレンジ分級に数多くの実績を誇るターボクラシファイア
  • サブミクロンから数ミクロン領域で高精度分級を実現したエアロファインクラシファイア

本稿では、エアロファインクラシファイアにフォーカスして当社の分級技術を紹介します。

図1.各分級機の分級範囲

分級原理

図2.遠心分級原理
図2.遠心分級原理

当社の分級機は遠心式であり、機内で粒子を旋回運動させて遠心力を与え、同時に遠心力と反する向きに働く空気抗力を粒子に与えます。これら二つの力(遠心力と空気抗力)のバランスによって分級点を設定し、粗粒子と微粒子に分級します。エアロファインクラシファイアは、機内に分級ローター等の回転体を設けず、旋回流(自由渦)を利用して粒子に遠心力を与えています。自由渦は分級ローターで発生させる強制渦に比べてより高速な渦を作りやすく、より大きな遠心力を粒子に与えることが可能です。自由渦を採用した結果、従来の分級機では達成できなかった微粉領域の分級が可能となりました。

エアロファインクラシファイア(AC)の概要

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エアロファインクラシファイアは以下の5つの特徴があります。

  • 「強力な分散機構により凝集体を解す効果に優れ、高精度なサブミクロン分級が可能」
  • 「摩耗性粉体対応が容易で、製品の純度を保つコンタミネーション対策が可能」
  • 「遠心力のかかりづらい低比重粉体も高精度分級が可能」
  • 「整流効果により、針状粒子やりん片状粒子なども精度良い分級が可能」
  • 「機内に回転体がなく、構造がシンプルなため、メンテナンスが容易」

装置断面模式図、設備フローは図3、図4の通りです。
本装置はブロアの吸引によって大気中から空気を取り込み、装置外周部に設置した複数の傾斜羽根の間に空気を通すことで、機内に旋回流を発生させます。傾斜羽根の上下に2次空気として圧縮空気を噴射することで旋回流を加速し、微粉領域分級に必要な強力な渦を形成することができます。これにより従来と比べて微小な粒子を分級できるようになりました。
分級点の調節は、以下の2つの方法で行います。
1つは、傾斜羽根の設置角度を変えること、もう1つは、噴射する2次空気の流量を増減させることです。

  • 図3.エアロファインクラシファイア断面模式図
    図3.エアロファインクラシファイア断面模式図
  • 図4.エアロファインクラシファイア設備フロー
    図4.エアロファインクラシファイア設備フロー

エアロファインクラシファイア(AC)の分級例

図5に白色セラミックス粉の微粉除去例を示します。粒度分布が既にシャープな原料から、1.5μm以下の粒子を完全に除去できていることがわかります。また、硬質な白色粉末においては、従来の分級機では微量な金属コンタミネーションが原因となり、製品の色のくすみが問題となっていました。しかしながら、エアロファインクラシファイアは機器接粉部を全てセラミックス焼結体でライニング可能なため、金属コンタミネーションを高いレベルで防止でき、分級処理前後で白色度の変化がありません。実際に分級前後の粉の白色度を数値化した結果を表1に示します。

  • 分級原料
    分級原料
  • 製品
    製品
  • 図5.分級例-1 (白色セラミックス粉末の微粉カット)

表1.分級処理前後における粉の白色度数値評価

  L*値 目視による色判断
原料(分級処理前) 97.1 白色
製品(耐摩耗処理機) 97.3 白色
製品(耐摩耗未処理機) 94.5 やや灰色

※色彩色度計により白色度(明度L*値)を測定
(L* = 0 は黒、L* = 100 は白の拡散色で100に近い値である程白色度が高い)

次に、図6にサブミクロン粉末中の粗大粒子除去例を示します。積層セラミックスコンデンサの誘電体層を形成するチタン酸バリウムでは、サブミクロン粒子中に微量に含まれる1 μm以上の粗大粒子の存在が問題となります。このようなサブミクロン粒子を分級する際には、分級点がその領域まで到達しないことや、凝集や付着が生じることが大きな問題として立ちはだかりますが、エアロファインクラシファイアは強力な渦流を形成することで、これらの問題をクリアしました。

  • 分級原料分級原料
  • 製品製品
  • 図6.分級例-2 (チタン酸バリウム粉末の粗粉カット)

装置のスケールアップ

エアロファインクラシファイアシリーズでは、装置を相似的に大型化する「(1)相似形」と、小型装置複数台を並列に配置して処理能力の増大を図る「(2)マルチ形」の2種類のスケールアップ方法があります。

(1)相似形スケールアップ
一般的なスケールアップでは「相似形」を多く採用し、本例の仕様は表2に示す通りです。最大機種では、1時間当たり数百kgの処理が可能です。

表2.相似スケールアップラインナップ

機種 分級点 処理量 吸引風量 使用圧空量
at 0.5MPa
寸法 重量
[μm] [kg/h] [m3/min] [m3/min] [mm] [kg]
AC-20 0.3~20 1~20 1.5~3 ~0.3 Φ300×H400 50
AC-30 0.5~25 2~40 3~6 ~1 Φ400×H600 100
AC-40 1~30 4~80 8~12 ~1.5 Φ500×H800 200
AC-80 1.5~30 16~320 32~48 ~8 Φ1000×H1200 500

(2)マルチ形スケールアップ
相似形スケールアップの場合、表2に示すとおり、限界最小分級点は装置を大型化するにつれて大きくなります。しかしながら現実には、小型機でしか達成できない微小(サブミクロン)分級点で、大処理能力を要求されることも少なくありません。
そこで、そのようなニーズに対しては、「マルチ形」のスケールアップの機種を推奨しています。このマルチ形スケールアップ機(図7)は、小型分級機を複数台配置しているため、高い処理能力でありながら、小型機レベルの分級可能範囲と高い分級精度を実現することが可能です。
相似形とマルチ形の処理能力対分級点の関係を、図8に示します。

  • 図7.マルチ形スケールアップ機
    図7.マルチ形スケールアップ機
  • 図8.AC分級点と処理能力の関係(相似形とマルチ形の比較)
    図8.AC分級点と処理能力の関係(相似形とマルチ形の比較)

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