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【プラント第一部】 ユーザーの目線から食品工場建設のノウハウをご提案する。

食品と粉体

日清エンジニアリング株式会社は、発足当初、大きな比重を占めていたものとして、「小麦粉バルクハンドリングシステム」がありました。その後、港湾にある穀物サイロ建設も手がけるようになり、長年相当数の大型穀物サイロを建設してきました。同時に、食品粉粒体の技術を習得するにつれて、徐々に小麦、ビール、製パン会社、製麺会社を中心とした食品プラント、工場の建設が増えてきました。また、ミックス粉(ピザ・ドーナツなどのブレンド済み原料)や香料・色素、食品添加剤を扱う工場も手がけるようになってきています。

キーワードは「安心・安全」

食品業界の最重要キーワードの一つは「安心・安全」です。異物の混入(コンタミネーション)防止や広義にはアレルゲン物質への対応などがあります。
一例を挙げますと、例えば、製パン会社、製麺会社に納入してきたバルクハンドリングシステムは、時代とともに老朽化が進むのは避けられません。老朽化と「安心・安全」は表裏一体です。しかし、一般的に言って、設備を一度に刷新するのはスケジュール、コスト面等から難しいため、まず可能な箇所から変えていく必要があります。私たちは「SPP(Safety Promotion Project)」を立ち上げ対応させて頂いておりますが、更新工事の際も必ず私たちが現在考え得る最大限の「安心・安全」設備へ、重要度に応じて段階的に入れ替えることをおすすめしています。例えば、インラインシフターを空気輸送ラインの中に設置することにより製品に混入したオーバーサイズの異物を連続的に除去し製品品質をまずは確保する、また、接粉部も当時は鉄に塗装を施したものでしたが、これからはステンレス製(=塗装レス)に重要箇所から変えていくといったように。そういった取組み易い提案を織り交ぜながらお客様の安心・安全にスムースにつなげられるよう努力しています。

「食の安心・安全」に大きな可能性を秘めたマトコンシステム

マトコンIBCシステム
マトコンIBCシステム

食品添加物やミックス製品などは付加価値が高く、同時に異物の混入はもちろん、経路内の残留や他原料のコンタミネーションを非常に嫌うケースが多いといえます。また、最近は乳・卵などのアレルゲン物質などの混入についても細心の注意を払わなければならなくなってきました。粉体の水洗いは難しく、配管の取り外しを容易にしたり、ミキサーのなかに洗浄のためのノズルをつけたりする等の事前の配慮が欠かせません。
コンタミネーション防止、アレルゲン対応ラインとして非常に有効なのが可動式コンテナで原料をハンドリングする「マトコンIBCシステム」です。従来より医薬品などの製造ラインでは数多く導入されてきましたが、食品分野においてもコンタミネーションを嫌う原料を容器ごと分離できる等のメリットはとても大きいと言えます。頻繁な洗浄の必要がありませんし、ライン中の残留量をゼロにできるため、コンタミネーション防止の切り札として多くの引き合いをいただいています。食品の安全性には医薬品なみの基準が要求されつつある昨今、私たちはマトコンIBCシステムをどんどん提案していきたいと思っています。

お客様の要求を満たし生産設備を最大限生かす、食品工場エンジニアリングが大きく成長している

現在積極的に取り組んでいるのが、弁当や惣菜、サンドイッチなどチルド食品工場の建設です。コンビニなど中食(なかしょく)系の食品工場の設計・施工は、以前は大手の建築会社が得意としていた分野でしたが、ゾーニング(空間をいくつかのゾーンに分けること)や動線計画(人や物が移動する道筋を効率よく計画すること)、交差汚染や二次汚染の防止を含めたサニテーション(菌などの衛生管理)などといった使い勝手や日々の運用に対する配慮が十分なされていないことが多く、食品製造会社をグループにもち、知見とノウハウをもっている私どもエンジニアリング会社の設計が高い評価をいただいています。
チルドエンジニアリングに関しては「ハコものよりも製造設備・運用ありき」という信念のもと、新工場の建設や既存の工場の増改修などにも携わっています。スーパーやコンビニに弁当などを供給する工場は、建物や設備が老朽化しているところもあるうえに消費者の食の安全性に対する要求レベルも年々高くなってきているため、早急に取り組まなければならない課題が多いのが現状です。
例えば新工場を建設する際に、従来一般的にとられていた手法と私たちの取り組みで最も異なる点が設計思想の違いです。従来の食品工場の建設ではまずハコ(建物、外観)を設計し、その後設備を詰め込む手法が多く見られ、そのため効率が良くなかったり、生産設備機能を充分に発揮できないなど現場に無理が生じることがありました。私たちはまず、設備の効率性や操作性、日々の稼動やメンテナンス性、将来の拡張性等を考慮しながら建物の設計も同時に進めていくため、操業後に不都合が出ることも少なくお客様が長く効率的に事業を行える工場を建設できるのです。
また、設計コンペ等の場合は、与えられた条件の裏に隠された情報を読み取り、徹底的に分析し、お客様が何を望んでいるのかを検討します。つまり、どのようにすれば満足いただけるのかを重視して提案できるところが高く評価されていると思っています。

お客様と同じ立場に立ち、難しさを理解したうえで提案を行う

総菜工場
総菜工場

食品メーカーをグループ企業に持ち、数多くの実績を積んできましたため、私たち自身がユーザーと同じ目線になり対応することがおのずと沁みついているといえます。食品工場に関するノウハウを他の誰よりも蓄積しているのでお客様の細かい要望に応えながら、お客様の立場に立って何が重要なのかを考えていくことができます。食品工場は建設して終わりなのではなく、建設後の日々の稼動で直面する問題に関しても取り組むことができる「かゆいところに手が届く」サービスを提供することが大切であると思っています。
私たちは「FPI(Food Plant Innovation):食品工場革新」と称したプロジェクトを立ち上げ、グループ内の研究所と連携し、これまでに蓄積したノウハウ、最新の技術、情報を取りまとめ、体系化して、お客様に一歩進んだ提案ができるよう心がけています。一例として、「食の安心・安全」を実現する生産設備だけでなく、環境対策・省エネルギー化の要求にもきちんと対応できるようにしております。
ただ、残念ながら食品業界では、エンジニアリング業務の必要性が認知されているとはまだいえないのが現状です。社内に建設を担う部門を有していないお客様も多いため、工場建設に関わるエンジニアリング業務(調査・基本計画・設計・見積・調達・施工管理)にどれだけ費用がかかり、どれだけ価値があるのか、どのように使えばメリットがでるのか、なかなかご理解していただけません。だからこそ私たちがお客様と一緒になりお客様の難題を解決していくという、エンジニアリングノウハウを理解して頂く努力を惜しまないことが必要であると確信しています。工場建設というお客様にとっての一大事業のパートナーとして、当社を選んでいただき、そのノウハウを徹底的に活用していただければ幸いです。

これからのプラント第一部は「積極的に柔軟に」

今後、プラント第一部で力を入れていく業務のひとつとして、リニューアル工事(大規模な更新工事)があります。日本の食品業界の工場は設立からおよそ20~30年経ち、部分的な手直しをしながらもどうしようかと悩んでいるお客様も多いと思います。将来の確実な「安心・安全」を考えた場合、やはりこれからはリニューアル工事の需要も非常に多くなっていくでしょう。
さらに当社は小麦粉のハンドリングでは世界でナンバーワンであると思いますが、食品プラントのエンジニアリング会社としても存在感のある会社を目指しています。それだけの技術を40年間培ってきていると自負します。それは他の分野でのエンジニアリングでも活かせるはずですし、活かさなければならないと使命感を持っています。
最後に、食品業界をとりまく環境は今後もますます厳しく、そして変化が激しくなっていくと思われます。我々自身も、そういった流れに積極的にかつ柔軟に対応できるようスピードとチャレンジのエネルギーを持ち続けていきたいと思います。

プラント第一部長 七蔵司和哉(ななぞうし・かずや)

プラント第一部長 七蔵司和哉(ななぞうし・かずや)

2009年日清製粉グループ本社生産技術研究所へ異動以来の日清エンジニアリング復帰となります。お客様のニーズを的確に受け止め、最適なご提案と高い品質のエンジニアリング業務を提供したいと思っています。

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